『フロイトの死』,そしてシルヴィア・プラス

全ての女はファシストを求めている
ブーツで顔をけとばす、ケダモノ
野獣のような君の、ケダモノの心

ー シルヴィア・プラス (Ayuo翻訳)

Every woman adores a Fascist,
The boot in the face, the brute
Brute heart of a brute like you.

– Sylvia Plath

僕の1984年にMIDIの為にレコーディングしたアルバム『Silent Film』はアメリカの女流詩人シルヴィア・プラスのジャーナルを読んで、インスピレーションを受けたものから作り出して行った物だった。あれから、30年位経つと、言葉のコンセプトのみに、今の自分と共通点がある気がする。最近、誰かがアップロードしていたこのアルバムの曲を聴くと、まだまだ未熟のアーチストのものだと感じてしまった。今の自分の共通のものがあって聴けるものは3曲位だった。そして、その3曲は詩の語りの延長からSound Poetryにした曲だった。

今回、書きたいのは、この昔の僕のアルバムのことではなく、シルヴィア・プラスの上記の言葉が引用されている『フロイトの死』という本についてだ。Mark Edmundsonの本で英語のタイトルが、『The Death of Sigmund Freud』.この本はヒットラーとフロイト、そしてナチス時代にフロイトが何を考えて、どう生きていたが書かれている。伝記の本だが、歴史小説のように、うまく書かれている。

20世紀の初め頃のウィーンで、ヒットラーは画家、そして建築家としての職業を探している人だった。彼は野菜食で、ストイックな生活を守って生きていた。いつか、スラム街に労働者のためにビルを立てて、みんなの生活をよくしたいと考えていたヒューマニストだった。彼はある女性に恋をしていたが、それを言える勇気がなかった。いつか成功してから王子さまとしてプリンセスを迎えに行く夢を見ていた。彼はオペラが好きなロマンチストだった。反ユダヤ思想を唱えるオカルト新聞にも影響を受けてしまった。孤独の生活を送っていて、変わり者と人に見られていた。未来に、人前で演説をすると大きなカリスマを出す力がある事を発見する。それが彼の人生を変える事になる。

一方、フロイトは全ての人間は内心ビョーキ、(”We’re all sick”)と言っていた。今の精神科という職業はフロイトや彼の弟子、カール・ユングが医学として認められるのに努力して作ったものだった。彼の仕事場では、あらゆる精神的な問題や欲望を一日中聞いていた。
『妹の夫に恋をしている』、『兄弟を殺したい』フロイトは話しを聞いてあげて、それを客観的に見る事が出来るようにするのが、その人を自由にさせる事だと信じていた。どんなに立派に見える人でも、犯罪者の心は存在している。怒り、嫉妬、妬み、から始まり、殺人、強姦、盗難や暴力の想像したりする。私達みんなの中に犯罪者が存在する。そして、それを抑圧すると、勢いで爆発してしまう。魔女狩りがそうだったように。お互いの中に犯罪者の心があると、みんながお互いに認め合う事によって、その爆発をやわらぐ事が出来るだろう。フロイトは、人間を直す事は出来ない(no cure )と思っていたが、人間の内心と直面して、それを理解する事がまず大事だと考えていた。
フロイトはナチスが一般のドイツ人をどうやってハッピーに出来たかを理解していた。『民衆が立ち上がって、世界を変える』等の幻想を描いているロマンチストは、その理想を実現しようとするほど自由を抑圧する独裁者になってしまう。

しかし、私達の中のどこかに、その”自由”の夢はひそんでいるかもしれない。僕にとって、それに近いものは、ウッドストック・ジェネレーションの夢だったと思う。しかし、『ウッドストック』という曲を作詞作曲したジョニ・ミッチェルは、客観的にその時代を見ている人だった。ウッドストックは、人々にニューエイジ・ヒッピーの理想を思想的に与えたように見えていた。しかし、この間、先月発表されてインタビューを見ると、『主観的に見ると大変に見えている物事でも、客観的に見ると結構笑える事がたくさんある』と笑いながら語っていた。そして、『artはartificialから来ている。自分が経験したものでも、それを歌う時は、そのパートを演技をするものだ』と語っていた。

フロイトはユダヤ人で、差別を受けながら、自分の精神分析の方法論を化学として認めさせるように精一杯努力していた。フロイトはナチスを予言するような文書を出版していた。ヒットラーもフロイトを読んだのではないかと疑われるほどだった。

Freud indicates: we are all fascists, we are all fundamentalists, at least potentially.Statesmen did not understand the joy that fascism offers people. They have never felt so good before and they will not readily give that feeling up. It is only constant critical labor that keeps the worst political and religious possibilities from becoming fact.To Freud, the self-aware person is continually in the process of deconstructing various god replacements and returning once again to a more skeptical and ironic middle ground.
宗教から逃れたと思った20世紀の人々は共産主義やファシズムに宗教と同じ夢を見た。イギリスの哲学者、ジョン・グレイは、アメリカ経済を中心としたグローバリズムも、共産主義と同じ宗教のヴァリエーションだと書いていた。

John Grey (from “The Silence of Animals”: There can be no doubt that the suffering inflicted on Jews was an integral part of the happiness the Nazis succeeded in manufacturing in the rest of the population…Many Germans were happy under Nazism.

この間、選挙の前に、何人もの人が、今の時代はナチス時代を思い起こす、と書いていた。その時に、シルビア・プラスの詩を思い出した。

シルビア・プラスは神話を使いながら、詩を書いていた。古代の王様は、剣を持って戦う人でありながら、最終的には、責任を持って生贄にされる神となる人だった。
ナチズムや軍国主義が終わると、その国の人々は、私達”民衆”はファシスト達に騙されていたのだ言う。そして、言い訳を重ねながら、前の”王様”を生贄して、民衆は本当は良いと言い聞かせようとする。『私は殺人者で、おまえもそうだ』と中々言わない。

シルビア・プラスの上記の詩は、『Silent Film』では使っていないが、シルビア・プラスの日記を朗読している曲が入っている。また、上記に詩は、アンビエント風のパフォーマンスにシルビア・プラス自身の朗読のテープを使いながら、演奏したことがあった。シルビア・プラスは、この詩をまるで子守唄のようにソフトに語っていた。それを聴く日本人のお客さんはヒーリング・ミュージックだと感じたに違いない。

最近は、フロイトとユング、そしてユングの弟子達、M.Esther Harding、Barbara Hannah, Erich Neumann, Marie-Louise Von Franz, Robert A. Johnsonの本を読んでいます。フロイトとユングは一般的に思われているよりも多くの共通点があった。一般的にフロイトは科学的でユングは神秘的だと思われているが、人間は誰でも一生考え続けている。ユングは科学的に認めれる事の出来ないトピックについて弟子達が書く事は止めて欲しいと常に言い続けていた。精神分析や神話の分析を化学的に行なわなければ、学会にも認められないものになり、カルトになってしまう、と忠告していた。フロイトの最後の本は、モーゼとユダヤ神話についてだった。そこで書かれているものには、ユングとの共通点がもう少し見えてきた。

フロイトとユングは様々な人々が使えるツールを作った。ユングを勉強した多くの弟子達は、それぞれが同じものを見ても全く別々の見方をしたりする。それが面白かったりする。ユング自身は、また、星占いは非科学的と見ていたが、最近の星占いの人たちの中では、ユングの分析方をツールとして使っている星占いの人たちもいる。
最近、フロイト、ユングとその弟子達の本を読んでいるのは、近い内にそれを使ってミュージカルを言葉と動きのイメージから書きたいと思ってるからです。この最近、自分の歌声はミュージカルのような発声になってしまった。また、PA等を使わない方がより聞かせるものを作れるようになってきた。最近、演奏している『My Favorite Things』、Wish Upon A Star』』やラヴェルのバレエ曲『ダフニスとクロエ』のメロディーに基づく『Shadows and Dancing Light』はその準備として見ている。

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