画家フランシス・ベイコンについて語ったジョン・グレイ

英国の哲学者、ジョン・グレイが画家フランシス・ベイコン、9.11のテロ攻撃以後の政治状況、古典的な右翼と今の右翼の違い等について書いた文章をこないだ再び読み直していた。この映像はフランシス・ベイコンの伝記映画『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』からのもの。この映像では一部しか聴こえてこないが、この映画音楽のエレクトロニカの音楽が良い!坂本龍一がエレクトロニカ的な音響の響きを中心に使いながら、一人で作ったものである。この音楽は坂本龍一の作曲した映画音楽の作品の中では、変わっているもので、僕にとってはお気に入りのものです。サントラに収録されている。とてもメランコリックなピアノの曲はベイコンの絵によく似合っていながらも、坂本龍一の音楽の特徴も良く出ている。これはyoutubeにあった、その映像と映画音楽と合わせたもの。
ジョン・グレイは英国の新聞The Guardianにもよく書いていて、政治哲学者としても知られている。彼は左翼ではない。むしろ、アンチ・コミュニストだと、自分で言っている。しかし、今の時代がどうしてこうなっているかを、とても客観的に分析していると僕は思っている。彼は多くの最近のミュージシャンにも影響を与えている。イギリスのバンドThe Streets のMike Skinnerやポップ・スターDavid Grayもその影響を認めている。僕もジョン・グレイのほとんどの本は持って読んでいる。
重要な事が書かれているので、少しずつ読んで、気になったら、彼の『わらの犬』等を読んで見て欲しい。同姓同名の全く別の作家がいるので、その人の本とは間違わないように。
下記のものは、僕が自分で日本語に訳したジョン・グレイの本からの抜粋です。原文はそのまた下記にコピーしました。
—From “Black Mass” by John Gray—
9.11のテロ攻撃がなければ、ブッシュ政権はあれだけの権勢を握って、イラク戦争を始める事が出来なかったであろう。しかし、その後ろには、9.11.2011の30年前から行っていた政治的な変化があった。共産主義は崩壊した、しかし、そのユートピア的な発想は消えなかった。世界の唯一のスーパーパワー、アメリカの政治で復活した。どうやって、それまで、左翼側にしかなかった考えが右側で権力を取る事になったのだろうか?これは政治の抜本的な変化を表すものだった。
ネオ・コンはイデオロギーが本質的な武器だと考えている。1950年代のアメリカでは、マルクス主義者のシドニー・フックやトロツキストのマックス・シャクトマン等が最もアグレシヴなアンチ・コミュニストになっていた。。。しかし、考え方のスタイルだけは変わらなかった。ネオ・コンはレーニン主義の思想を右側に持って行ったのではなく、その考え方のスタイルを持っていった。抑圧のない世の中を作って行くためには、今までの社会を解体しないといけないと信じている。進歩的な世界を作るためには暴力を使わないといけなく、革命は世界中に起こさないといけない。こうした考え方をネオ・コンはトロツキーやレーニン主義から持っていった。また、トロツキーの理想主義もネオ・コンの民主主義を世界中に伝えないといけないという発想の後ろに生きている。
こうした右側の考え方の変化は重大なものだった。フランス革命以後、右側は常にユートピア的な発想を反対する側だった。イギリスの画家、フランシス・ベイコンは、彼は右側に投票するのは、割の悪い仕事のなかで、右側の方が良い仕事をしている上、左翼の理想主義がしてしまうように個人の自由にじゃまになることが少ない、と語っていた。
過去では、政治の右側とは、人間のはかなさを受け入れる側だった。そして、人間の進歩の将来性に対しても懐疑的に見ている側だった。それは変化を反対しているという事ではなかった。ただ、輝かしい未来が人類を待っていると信じていなかった。政治とは欠点を持つ人間となんとかうまくやっていく方法を見つけるためのものだった。キリスト教の原罪の考え方とつながっている事も多かったが、かならずしもそうではなかった。右側は人間性の欠陥は治ることがないと理解していた。
(翻訳:Ayuo)
—原文 (翻訳は原文と少し順番を変えているところがあります。)—
Communism collapsed but utopianism did not disappear. It was given a new lease on life and came to power in the world’s most powerful state (USA). How did this happen? How did Utopia – once found mainly on the Left – come to power through the Right? It was a development that signalled a fundamental shift in politics. Without the 9/11 attacks, the Bush administration could not have achieved their dominance and the war on Iraq could not have been launched, but lying behind these events are political changes that occurred over the thirty years (before 9/11)… (p.44)
The transformation that overtook the Right was profound. Ever since the French Revolution it has defined itself by opposition to utopian schemes. Its philosophy was summarized by Britain’s greatest 20th century painter, Francis Bacon – also an acute observer of politics and culture – when he remarked that he voted for the Right because it made the best of a bad job, (and interfered less than the idealism of the Left with individual liberty.) In the past the Right stood for a realistic acceptance of human frailty and a corresponding scepticism regarding the prospect of progress. Change was not always resisted, but any idea of history as a march towards the sunlit uplands was firmly rejected. Politics was seen as a way of coping with the fact of human imperfection. Often this view was grounded in the Christian doctrine of original sin, but a version of the same idea can be found in conservative thinkers with no such beliefs. Whether religious or not, the Right understood that the flaws of human nature could not be overcome. (p.44)
The neo-conservatives believe that politics is a type of warfare in which ideology is an essential weapon. Marxists such as Sidney Hook and Trotskyites such as Max Shachtman developed into anti-communists who were among the most intrepid cold warriors in the 1950s. ..It was this conception of politics that neo-conservatives carried over from their time on the Left. It is not the content of Leninist theory that has been reproduced but its style of thinking. Trotsky’s theory of permanent revolution suggests existing institutions must be demolished in order to create a world without repression. A type of catastrophic optimism, which animates much of Trotsky’s thinking, underpins the neo-conservative policy of exporting democracy. Both endorse the use of violence as a condition of progress and insist the revolution must be global. (p.172)
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