ジョン・グレイというイギリスの哲学者の本について

人生とは私にとって、無関心の海の上に浮かんでいる痛みの孤島のようだ。ー ジークムント・フロイト (オーストリアの精神分析学者、精神科医)

Near the end of his illness, he (Sigmund Freud) described life as ‘a small island of pain floating in an ocean of indifference’.
(from John Gray’s book “The Silence of Animals” (page 91)

ジョン・グレイというイギリスの哲学者はフロイドを哲学者として再認識する事を勧めている。それは80年代以後世界的に影響を与えたポジティブ・シンキングの行き過ぎた方向性にブレーキをかける為にも必要と考えている。ポジティブ・シンキングの考え方の影響は、ジョン・グレイによるとアメリカのブッシュ大統領の周りの人間達にも影響を与えて、”ポジティブ”に考えて元気に生きると言っている人間ばかりが仕事で求められると、社会の直すべきな部分や危険な部分に目がちゃんと届かなくなる。ちゃんと批判出来る人間や忠告を与えられる人間の必要となる。ジョン・グレイは『ザ・シークレット』等が一般的に流行った時代の後に、もっと人の目を開かせるものが必要だと考えている。
フロイトは、哲学者としてショーペンハウアーと多くの共通点があるとよく言われている。ジョン・グレイはフロイトはショーペンハウアーのペソミズム(悲観主義)をさらに越えたもので、ポジティブ・シンキングの後に必要な考え方だと書いている。人間はいったん、その夢をみるような理想主義的な考えを捨てて、人間はこんなものだ、と開き直れば変えって元気よく生きて行ける。ジョン・グレイはペソミズムの考えにまるで宗教的な改宗.をして95歳まで元気よく生きた男の人の例を本で取り上げている。

その男の人は、戦後直後のイタリアにいた時、レストランにいた。そのレストランの前に食べ物がなく、餓死しそうに泣いている子供達がいた。それを完全に無視しながら、むしゃむしゃ食べている人たちを見て、人間はこういう状況になると、このように変わるのだと悟ったと言っていた。戦争中にはまだプライドがあり、お国のプライドの為に死ねると思って、お互いを助け合う人々がいた。戦争が敗戦で終わるとプライドがなくなり、生きていく為には何でもするという人たちが街にあふれていた。彼はこうした状況を見て、人間に理想を抱く事や理想主義的な考え方を持つ事を全て捨てて、自分で楽しく生きるようにしたと言う。そして、95歳まで、自分の生きたいように生きたらしい。

19世紀の後半では、催眠療法や薬を使ったり、機械の道具等を使う精神病院がたくさんあったが、フロイトやユングは自分の内面の暗い部分を見つめて、自分の努力で変えないと人は変わらないと考え、話して治していく療法を始めていた。催眠療法で一時期的に治ったとしても、それは本質的に治っていないので、いつかまた崩れてしまう事を彼らは見えていた。

20世紀の後半から21世紀にかけて、フロイトのやり方に疑問を持つ人は増えて、薬の療法、あるいはポジティブに考える療法が増ええていった。エクスタシーというドラッグはうつ病に使う薬として最初は広まった。後にはクラブでハイになる時に使うドラッグとして流行った。ハイになるのは、それを取った時だけで終わってしまう。
人を一時期的に催眠療法で抑えても、いつかは身体がそれに抵抗してその効果が崩れてしまうと言われている。
最も危険なのは、犯罪者には、脳の分泌するセロトニン等をコントロールするチップを入れてしまえ、と語っているような人たち。
これはSF映画のように人をコントロールする社会の始まりのように聞こえてしまう。

それよりも、自分の暗い部分を自分からも隠さないで、それに気づいてそれを自分でコントロール出来るようになった方が良いだろう。
フロイトの始めた考えは、精神学的な方法論としては賛成しない人がいたとしても、哲学者としての考えにきっと約に立つものが見つかるはずだ。

フロイト本人の文書を読むとやはり、観察力は素晴らしいし、様々な文学を読んでいて、その文章も優れている。
人が説明するフロイトの考えが書かれてある本よりも、本人の言葉を見るのが一番面白く、本人の文章を見ないとフロイトについては語れない。

文Ayuo Takahashi

http://www.amazon.co.jp/The-Silence-Animals-Progress-Modern/dp/024195391X/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1414887595&sr=1-1&keywords=john+gray+silence

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