”よそ者”が常にスケープゴートにされる

シリアからの移民がギリシャに入ると、ギリシャの民衆からこのような目に合う。英国のテレビより。これからの世界ではこのような光景がどこに行っても、毎日のように見るようになるかもしれない。
シリアの国内戦争のきっかけは雨が中々降らなく、食物が育たず、たくさんの農民が都会に出かけた事から始まったと言われている。住めなくなった土地から大勢の人が都会に集まるとまず町の中からトラブルが始まる。
こういう時代には、ナショナリズムや宗教を使って人を動かす団体がいる。”民族を守りたい側と”よそ者”が出来てしまう。そして、”よそ者”が常にスケープゴートにされる。しかし、本当の問題は何であろう?
地球の温度は常に変わり続けている。17世紀はミニ氷河期と言われるほど寒かった。この時期にヨーロッパでは哲学、音楽、建築、美術等が進んだ。戦争も多くあった。13世紀は世界が暖かかった。13世紀の中世ヨーロッパのトルバドゥールの音楽を聴くと、その暖かさが多くの人に伝わって来るだろう。今は毎年、地球はどんどん暖かくなっているのが事実である。しかし、メディアやネットで地球温暖化は本当はおきていないという記事が出るようになったのは、影で企業が地球温暖化はデマだという情報を流しているからであると書いている人もいる。それは、これから多くの土地が温暖化によって、食物がちゃんと育たない状態もおきてくるからだ。また、水不足等も出てくる。使えない土地もたくさん出てくる。島の住民が全員引越しをしないといけないところも出てくる。原子力発電所の出した公害も海に流れ出す。お金がかかる事があまりにも多く、大きな企業はこうした事があまり伝わらないようにしている。
ルワンダ紛争も水不足から始まっていた。多くの戦争は資源と土地の争いから始まる。ナショナリズムや宗教は人を動かすためのツールであり、それが本当の問題ではない。
アメリカや日本等の国に住んでいると、これからアウシュビッツのような事が住んでいる国に起きるかも知れないと想像しにくいかもしれないが、資源の問題や地球温暖化の問題が、そのように人々を向けている。
『60年代のウッドストック・フェスティヴァルを聴いていた世代は未来に希望を持っていた最後の世代かもしれない。』とシンガー・ソングライターのジョニ・ミッチェルは数年前のインタビューで語っていた。私たちが子供の頃では『未来家族ジェットソン』や『2001年宇宙の旅』のような楽しいコンピューターやロボットがいる未来がテレビや映画で描かれていた。しかし、今やホリウッドが作る映画は地球が破壊されたり、戦争がおきたり、人間が住めなくなる未来を描く映画が多くなってきている。人々はみんあなうすうすと感じているのだろうか?
しかし、地球は常に変わり続けて来たし、今からも変わり続けるだろう。問題は人間がそれにどう対応して生きていくかだ。
政治家にとって、”民衆”が集まってデモをする事などは恐れていない。一つに団結した民衆はナチス党がかつてしたように動かせる。多くの人々は本当の学習をしていないまま、政治的な発言をしている。第一次大戦争の後、ドイツにはたくさんの共産党のデモがあった、その参加者の多くは国家社会主義党(ナチス)に移った。
元ユーゴ共産党員で、現在は哲学者として世界中に認められているスラヴォイ・ジジェクは今世界は社会主義のような全体主義的な方向に向かっていると書いている。それもヒットラーの国家社会主義かスターリンの社会主義のタイプだ。問題は元社会主義国に住んでいた人は、自由がない状態を体で分かっているが、欧米や日本のような西側の諸国の人達は、その本当の恐ろしさが分かっていない事だ。それから、西側の諸国では社会主義化は”自由”も守るためや”民主主義”を守るためという名目で進んでいくだろう、という事。