Ayuo – A Dream sequence in 14 colors Third Version

2008年に金沢21世紀美術館で粟津潔展「荒野のグラフィズム」が4ヶ月間やっていた。その間に4回コンサートをそこで演奏させていただいた。そして図 形楽譜のワークショップをやりました。このヴィデオの音はそこで集まってくれた人たちの演奏Ayuoの『14色の夢の場面』。映像は建築家の原公司のデザ インした光のロボット。図形楽譜とは通常の5線譜ではなく、図面等の別の方法で演奏する音を表すもの。この作品は一枚の紙に色鉛筆で色の線が書いてある。 一つの色は一つの音のモード(音階)を表している。色と音は昔からつながっている。共通感覚は子供の頃は誰でも持っていたと言われているが、共通感覚とは 音が色として感じたり、色が音として感じる感覚だ。大人になっても持っている人もいる。メゾソプラノ歌手の波多野睦美は共通感覚を持っていると語ってい た。ニューエイジの作曲家、Steven Halpernは次のような文書を書いている:光は音よりも40オクターヴ上にある電磁波のものだ。Aの音のように440の周波数で振動している音がある とすると、赤色は一秒間に430trillion(430兆)で振動している。
イギリスのコーニリアス・カーデューが始めていたスクラッチ・オーケストラはよく簡単な図形楽譜から曲を演奏していた。そのムーヴメントに参加していたブ ライアン・イーノはオブスキュアというレコード・レーベルを立ち上げて、そうした作品をいくつも70年代後半に紹介していた。マイケル・ナイマン、ギャビ ン・ブライヤーズ、クリストファー・ホッブス、ハロルド・バッド、ジョン・アダムス、ペンギン・カフェ・オーケストラ等の作品をこのレーベルから紹介して いた。
Ayuoの『14色の夢の場面』は最初1978年に作った。1982年頃にカーデューの作品『The Great Learning』等を演奏したコンサートを僕が当時一緒にやっていた人達と企画した。
このワークショップは面白く出来る。この映像で演奏している人たちは全員アマチュアである。たまたま、金沢21世紀美術館の方で集めた人達が演奏してい る。しかし、現代美術館で演奏しているわけだから、その感覚はどこか持っているはずだ。プロの演奏家がやっている演奏にも負けない強さがこの演奏にある。
また、このようなワークショップをやってみたい。
https://www.youtube.com/watch?v=fkpoHFDhbdI

Yae (arranged by Ayuo) – The Color of the Sky (Sora no Iro)

Yae (arranged by Ayuo) – The Color of the Sky (Sora no Iro) (English translation below)
この曲はレコーディング・ディレクターから歌のメロディーだけを残して、全て作り直して欲しいと言われた。そうなると、自分の作品のように聴こえてくる。 この曲のギター、アイリッシュ・ハープ、中世プサルテリー、ブズーキ等の撥弦楽器を一人で重ねて録音した。真ん中のコーラス・ラインも作って、自分で歌っ た。最後はそれをコーラスとしてフェード・アウトの時に歌う。2-3週間前に、ここでパーカッションを叩いている佐藤正治と久しぶりに会った。彼はこうい う曲に、そのリズムのグルーヴを作るのがすごくうまい。フェード・アウトのヴァイオリン・ソロは太田恵資。

I arranged and played all the plucked string instruments and composed the chorus line for this song by Yae. The producer had told me that he wanted me to completely re-write everything except for the main melody with the words sung by Yae. As a result, this song sounds like much of my compositions. I also sing the chorus lines in the middle and end of the song.
Both the percussionist Massaharu Sato and the Violinist Keisuke Ohta sound great. Massa really knows how to make the groove sound good.

Yae: Vocals
Ayuo: Irish Harp, Guitars, Medieval Psaltery, Bouzouki, Back Vocals
Massaharu Sato 佐藤正治: Percussion
Keisuke Ohta 太田恵資: Violin

https://www.youtube.com/watch?v=iQpPx8yT34Q

ケイト・ブッシュのドキュメンタリー Kate Bush BBC Documentary

昨日イギリスで放映されたケイト・ブッシュのドキュメンタリーが、もうすでにyoutubeに上がっている。ピンク・フロイドのデビッド・ギルモア、ピー ター・ガブリエル、エルトン・ジョン、セックス・ピストルズのジョン・ライドン、ザ・スリッツ、トリッキー、トリー・エイモス等のロック界の大物達の最新 インタビューが見れる。イギリスの新聞紙のレビューでは、彼女のダンスの先生リンゼイ・ケンプの最新インタビューが一番面白いと書かれていた。ロンドンの コヴェント・ガーデンのケンプのダンス・クラスに通っていたころのケイト・ブッシュについて語る。また、ケイト・ブッシュがどのようにリンゼイ・ケンプの 動き方に影響受けたをケンプの作品『フラワーズ』からの抜粋を見せながらケイト・ブッシュ本人が語っている。
ケイト・ブッシュは今月35年ぶりのツアーで出かける。これに合わせて作られたドキュメンタリーだ。ファンが載せた映像に違いないので、権利関係上いつまで見られるかは分からない。リンクはこちら:

”民衆”という想像上のコンセプト

”民衆”という想像上のコンセプトにこだわりがある人ほど、生身の人間の事を分かっていない。これが20世紀に起きた悲惨的な歴史が今生きている私たちに 教えた事だ。60年代から70年代に生きていた私たちは、学校でも日常生活でも一日中政治的な議論に巻き込まれていた事が多かった。毛沢東思想、チェ・ゲ ヴァラ、等がカッコウ良く見られていた時代だった。しかし、よく見てみると、このような政治的な”戦い”をしているつもりの人が描く”民主”というのはオ トギ話に出て来る王子様と似ている。人間が本来持っている複雑な個性を無視してしまう。そして、本来の問題を無視して、政治家や政治的な体制のせいにして しまう。また、人間的な愛情よりも経済的な問題を重視してしまう。
一番危険なタイプは、どこかで覚えた政治的なドグマを南無阿弥陀仏のお経を唱えるように語る人かもしれない。考える事が麻痺してしまっている状態の人が多 い。コンセプトや方法論の方が個人的な人間の問題よりも重要だと思い込み、目の前に行っている事が見えなくなってしまっている。フランス革命を起こした啓 蒙運動の理想主義的な発想は20世紀のポル・ポトで、その幻覚的な部分を見せたはずだった。
あるイギリス人の知り合いの音楽家は、1975年に彼が学生だった頃に、ポル・ポトがカンボジアの政権を取ると、彼の作曲の先生コーネリアス・カーデュー は生徒達と共にカンボジアの解放を祝う為に出かけた。そして、カンボジアの解放やポル・ポトを讃える曲等を作曲していてみんなで演奏をしていた。数年後、 『私たちはいったいなんてことしてしまっていたのだろう?カンボジア民衆の解放という名で歴史的に最も酷い虐殺の一つを祝ってしまった』とカンボジアの悲 惨的な状況を後でニュースで見ると語っていた。ポル・ポトも特に悪い事をしようと企んでいた人でもなかった。”民衆の戦い”というコンセプトの為に人生を 捧げたつもりの人だった。ただ、彼の理屈で行動する結果が当時のカンボジアになった。このような結末になる事を未来の世代は忘れるべきではない。
今現在の世界状況を見て分析する事は重要な事だ、責任ある人間はみんなそうするべきだろう。世の中には、いろいろな見方があり、それぞれの人がそれぞれの 意見に対してポイントがあるかもしれない。一つの見方をフォローしてしまう事が独裁政権を作ってしまう。あるいは宗教団体になってしまう。

エピジェネティックス Epigenetics

二つ全く同じ遺伝子を持っているクローン人間を作って、50年立ってからその二つを出会わせると全く別のものになっている。
背の高さから、話し方から、その人達の多くのものは別々のものになっている。
IQや趣味や頭の使い方も違うかもしれない。
これがエピジェネティックス。
遺伝子研究で今最も重要とされている研究。
この下記のリンクで見られる科学ドキュメンタリーの映像の話し。

ジェネティックスというのは、その元の遺伝子を指しているが、エピジェネティックスというのはその使い方に指令を出しているもの。
ドイツ人もフィリピン人もアメリカに連れて行って普通の学校で15歳まで育てれば、一生アメリカ人になるという例がよくエピジェネティックスの説明に使わ れている。日本人の両親も子供を連れてアメリカの一般的な学校で育てれば、アメリカ人として育てる選択を両親が子供にしている。
エピジェネティックスは、環境がどのように遺伝子を変化させるかという事を研究する。
がん細胞にどう細胞が変化するか、または、がん細胞を正常の細胞に戻す研究も、エピジェネティックスの重要な研究。

遺伝子は筋肉のような元の素材を作って行く、どのような人間になるかは環境と生き方が決め手になる。
食物の種も、どのような環境の土で育てるかによって、育って行く食物が変わってしまう。

動物に例えると、アヒルは生まれて最初に見たものを母だと思い込むといわれている。
最近の研究では育った環境によって変化した細胞は、その次の世代にも伝わると研究されている。
しかし、その次の世代の細胞も、また新たな環境で育つと変化して行く。

これで昔のSF小説に出てくるようにいくら優れている遺伝子を持った人間のクローン・コピーを作っても同じものにはならない事が分かった。

この映像はアメリカで科学の番組を作っているSciShowが作ったもの。面白い近年の科学の発見を説明する映像をたくさん作っている。

日本語の科学的な説明:
http://ja.wikipedia.org/wiki/エピジェネティクス
http://en.wikipedia.org/wiki/Epigenetics

エピジェネティクス(英語: epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である。
多くの生命現象に関連し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)・胚性幹細胞(ES細胞)が多様な器官となる能力(分化能)、哺乳類クローン作成の成否と異常発生などに影響する要因(リプログラミング)、がんや遺伝子疾患の発生のメカニズム、脳機能などにもかかわっている。

https://www.youtube.com/watch?v=kp1bZEUgqVI

Yayoi linked to Yangtze area

次のリンクは弥生人は中国の南京や上海のエリアからやってきたという事をDNAを使って証明する記事。中国 では戦国時代が終わりかけ、今の中国を支配している漢民族は当時、他の少数民族の住んでるところを侵略して、女達に漢民族の子供を産ませる、という政策を とっていたため、おそらく弥生人とは漢民族から土地を奪われて船で日本に逃げてきた来た人々であろう。江南・江淮地方の古人骨と弥生人の類似性の研究につ いて上海自然博物館と南京博物院との日中共同調査の結果レポートが発表されている。

http://heritageofjapan.wordpress.com/yayoi-era-yields-up-rice/who-were-the-yayoi-people/yayoi-linked-to-yangtze-area-dna-tests-reveal-similarities-to-early-wet-rice-farmers/

Early Japanese belong to the M7 (mtDNA) family of Autronesian Southeast Asia

次のリンクは『Early Japanese belong to the M7 (mtDNA) family of Autronesian Southeast Asia 』というHPのページにつながります。オーストロネシアンとは台湾から東南アジア島嶼部、太平洋の島々、マダガスカルに広がる人々の事である。日本語では 南島語族とも訳される。かつてはマレー・ポリネシア語族と呼ばれていたが、台湾原住民諸語との類縁性が証明され、この台湾原住民の諸語が言語学的にもっと も古い形を保っており、考古学的な証拠と併せて、オーストロネシアンは台湾からフィリピン、インドネシア、マレー半島と南下し、西暦 5 世紀にインド洋を越えてマダガスカル島に達し、さらに東の太平洋の島々に拡散したとされる。この文章ではDNAの証拠を元に 古来の日本人もこのオースト ロネシアンであった事を書いてある。

科学的な文書が続くので、慣れていない人にとっては難しいかもしれないが、僕が最近ウクレレと歌で作曲した音楽には、ハワイアンと古来の日本のルーツを音楽的に表現している。他のfacebookに書いた文書 で細かく書いてしまったが、北中正和さんがコーディネーターをしているJASRAC講座ワールド・ミュージックOKIというアイヌの弦楽器トンコリを弾く ミュージシャンの演奏を聴いた時にポリネシア音楽との共通点を感じとって、新しいウクレレの使い方に興味を持った。そちらの文書を是非見てみてください。

Out of Africa to East Asia

次のリンクは『Heritage of Japan』というHPから『Out of Africa to East Asia』というページ。近年の遺伝子学、老古楽と人類学の研究では、ホモ・サピアン(現在の人類)は全てアフリカで生まれ、段階的にアフリカの外に向 かっていった。日本人のDNAを調べるとどのようなルーツを持っているを細かく科学的に調べている。

http://heritageofjapan.wordpress.com/just-what-was-so-amazing-about-jomon-japan/1-temp-from-africa-to-east-asia-the-tale-of-migration-and-origins-emerges-from-our-mitochondria-dna/

ブズーキと歌う夜

2014.9.8

9 月では2回渋谷のLast Waltzに出演します。まず、9月8日にはドイツ・リートを専門とする歌手、肥後 幹子さんの伴奏者として出ます。コンサート・タイトルは『ブズーキと歌う夜』。今回はギリシャのブズーキとアイルランドのブズーキで伴奏します。自分のコ ンサートではないので、自分の歌はありません。コンサートの半分位は武満徹の歌曲集から編曲したものです。また、林光、シューベルト、ウエーバー、クル ト・ワイル等の曲も演奏します。こちらは、そのコンサートのチラシです。自分のコンサートで見られない面が見られます。

http://lastwaltz.info/2014/09/post-12794/

9月25日には、今年の春に作曲した、語る音楽劇『OUTSIDE SOCIETY』の初めての演奏が渋谷のLast Waltzであります。その情報も近い内に載せます。今僕が最も表現したい内容です。どうかご期待ください。

http://lastwaltz.info/2014/09/post-12794/