天才とはどういう人であろう?多くの人は病気持ちだったりもする。次の人たちは梅毒にかかったが、その力によってよりクリエイティヴになれたと分析している科学者のエッセイ。ベートーベン、ヴァン・ゴッホ、フラボー、ジョイス、オスカー・ワイルド、ニーチェ。
Ludwig van Beethoven, James Joyce, Ocar Wilde, Vincent vn Gogh, Gustave Flaubert, James Joyce, and Ocar Wilde were afflicted with the syphilis spirochete, but was spurred on to new heights of creativity by their infection. – from “Medical Symbiosis” in “Chimeras and Consciousness”
(Jessica Hope Whiteside and Dorion Sagan)
彼らには確かに共通点がある。細かいモーチフを広げられる力は天才的である。これがベートーベンの音楽とジョイスの文学の共通点だと前から思っていた。また、ヴァン・ゴッホの色の細かさにも共通点がある。梅毒の影響により、耳が聞こえなったり、目が見えなくなる前に素晴らしくクリエイティヴになれる時期があると書かれている。
この本は前にも紹介したが、いい加減な本でない。怪しいものでもない。2004年にロッカフェラー・センターで行われたアメリカの最も優れた生物科学者、脳科学者、等の科学会議に出されたペーパーの一部である。一般向けの本ではなく、科学者同士に向けて会議のために書かれたペーパーが集まっている本だが、この本には素晴らしい考えや発見がたくさん書かれている。いつか未来にはきっと新しい時代を予測した本として歴史に残るだろう。AIDSと梅毒のつながりを分析している人もいる。それによって新しく治す方法を探しているのだ。地球を一つの生き物として考える人たちも多くいる。
ジョイスの『ユリシーズ』の細かい文章は60年代に、アシッドを取った感覚が一番よく分かる本だと言われていた。
最近のインタビューでシンガー・ソングライターのジョニ・ミッチェルは一番売れていた『ブルー』の頃は自分のエモーションをコントロール出来ない病的な状態にいて、されに苦しんでいたと告白していた。病気を持っている人は天才とは違うが、元々クリエイティブでしっかりと訓練を受けている人が、このような状態に入ると他の人には絶対に出来ないような表現をしてしまう場合がある。人に凄い力で訴えてくる感情的なプレイをする音楽家を聴くと、このような事を頭の中で思う場合がある。
この本です。