Painting by Carl Jung. この絵はカール・ユングが描いた絵。
Nothing in you is hidden to things…The stars whisper your deepest mysteries to you, and the soft valleys of the earth rescue you in a motherly womb. – Carl Jung (from the Red Book)
あなたの内面に あるもので かくされているものは ありません。
星ぼしは あなたにとって、もっとも深いミステリーを あなたに ささやいている。
地球のやわらかな谷間は その母なる子宮で あなたを救っている。
ー カール・ユング
カール・ユングは、精神科医・心理学者。深層心理について研究し、分析心理学を創始した人として知られている。
カール・ユングはアクティブ・イマジネーション(能動的想像法)という無意識から立ち現れてくるさまざまなイメージに直接的に接触を試みる技法を使いながら、ストーリーを書き、詩を書き、そして絵を書いた。ユングの『赤の書』ではイラストは豊かな色彩でもって描かれ、文章・文字も中世の写本を髣髴とさせる装飾的なカリグラフィーで綴られている。カール・ユングは自分の事を科学者と見ていて、芸術家、あるいは神秘思想やオカルトに興味を持っている人として見られる事は非常に嫌がった。
最初はフロイトと同じように夢を見て、その分析から始まった。しかし、起きている時でも人は別の種類の夢を見ている。彼は起きている状態で意識に浮かび上がってきたイメージを一人のキャラクターとして扱い、別の人物のように話しかける事を始めた。こうして彼は自分の内面に女性が存在すると発見して、それを彼のアニマ(ラテン語で魂)と名付けた。彼の心理学に対する考えは、こうして実験を繰り返しながら作り上げていったと書いている。カール・ユングはフロイトが自分の思想を一つのドグマにしようとしている事に反感を覚え、彼はむしろ、そのプロセスの方を重要とした。だから、ユングのメソッドを本格的に使っている人は、同じツールを使っても、それぞれ違った答えを見つけているかもしれない。これがユングの方法の面白さ。それぞれの人がツールを使った、自分の考えを見つけられる。
イエスのロック・ヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンはよくサウンドから言葉を唱えて、後で自分でも、その意味をさぐると言っていた。これも、アクティブ・イマジネーションを使っているタイプの歌の作り方。意味を伝えるために言葉を書くのではなく、、出てきた言葉の(自分にとっての)意味を見つける。様々な作家や絵描き、ダンサー、音楽家もこうした方法に影響を受けていた。カール・ユングに直接カウセリングを受けていた作家ヘルマン・ヘッセにも、その影響が小説『Steppenwolf (荒野のおおかみ)』に現れていた。
僕の作品の多くも、このように起きている状態の夢から、言葉が聴こえて来て、それを書き出すことから始まっている。それは僕にとっていつも言葉であって、英語の言葉でもある。日本語から始まったことは未だにない。音からはあるが、英語も音であるから、そうできるのではないかと思う。